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別冊・詩と小説で描く「愛の世界」

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実母・貞子と妾の静江。其の一

静江1-1
今から約十年前、私の実家に一人暮らしをしていた父の後添えの妻静江が
転んで脚を折り、近所の人の世話に成っていると言う知らせを受けた。

父は二十何年も、所謂二号にしていた静江を、母が死ぬと直ぐに入籍して同居し、
屋敷内に有る二棟の建物を静江名義に保存登記してしまった。
親戚達に追い出されるのを防ぐ手続きをしていたのだった。
だから、静江は父が死んだ後も、のうのうと年金で一人暮らしをしていられたのだ。

私静江が死ぬまでは絶対に実家には帰らない積りでいた。
というのは、私が小学校五年生の頃から、父と静江の関係が出来、
父は家を出て彼女と別の家で暮らしていた。母を泣かせ、私に肩身の狭い思いを
させて来た憎い女だったから絶対許せないと考えていた。

母は五十過ぎて直ぐ再度の癌で亡くなった。私は仕事の関係で実家から離れた
隣りの県に家を建て、二十年余り暮らして実家とは関わりを絶っていた。

だが、静江が大怪我をして、動けずに近所の人の世話に成って居ると成れば、
近所迷惑に成るのは目に見えていた。否応なしに私が出て行くしかなかった。

今まで法事などで、何度か会った事が有るが、その度に私の妻は静江と激しい
口争いをして来たと言う経緯がある。妻は亡くなった母の姉妹達から、
静江の面倒は見ては逝けないと釘を刺されていた。

静江は他人の亭主を寝取って仕舞うほどの女だったから、
気が強くかなり非常識な処が有って、我侭な女だった。

近所の者達は其の事を承知していたから、妻が顔出ししなくても不自然では無かった。
近所の人に迷惑を掛けるのも限度があり、嫌々でも行かざるを得なかった。
何とか成るだろう、どこかの病院に頼んで入院させて置けば良いんだと、
軽く考えて実家のある町へクルマで出かけた。



小学校六年生の夏、同じ村落の外れの借家に静江と住んでいた父親に
用事の有る人が訪ねて来た時の事だった。
「父ちゃんを呼んで来てくれないか。あの女の所に居るはずだから」
客に聞こえない様に母の貞子が声を潜めて言った。

私は暑い中を自転車で、五分位の所にある女の家に行った。こんなに近い所なのに
私は殆ど行った事が無かった。其の辺りを通り過ぎるだけでも、誰かに後ろ指を
差される様な引け目を感じて、遠回りをしたのを思い出した。
八つで葉っぱ一杯に伸びて、大きな榎の木陰にある薄暗い家は陰気な雰囲気だった。

玄関と言う程でもない、ガラス戸を開けようとしたら、鍵がかかっていた。
家の中はしいんとして、人の気配が無かった。
私は入口の脇の窓ガラスが開けっ放しに成っていたので、家の中を覗き込んだ。

六畳一間離れた向こうの部屋に、見慣れないものを発見して立ちすくんだ。
何秒か何十秒か時間が経つと、裸の男が胡坐をかいた中に裸の女が脚を開いて
胸を合わせて抱きついているのが分かった。浅黒い男は私に背中を向けていたが、
女は真っ直ぐに私の顔を見ていた。白い手足と身体の一部が見えていた。

ぽかんと立ち尽くしている私の姿を認めると、
女は男の首にしがみ付いて腰を激しく揺すり始めた。

黒い長い髪がわさわさと揺れて、
ううっと呻きながら上体を反らすと乳房が揺れて居るのがはっきりと見えた。
私は何秒間立っていたのか、分からなかったが、
男は間違いなく自分の父親で女は例の静江だった。
そして、見ては逝けない男女の性交の真っ最中だった事に気付いた。

足音を忍ばせて窓から離れ、一目散に自宅に走って戻った。
頭に血が上り、剥け始めたばかりの陰茎がパンツの中で固く窮屈になっていた。

何よりも、顔の合った女は挑むような目で私を見つめ、
急に激しく裸の尻を上下に動かし始めたのがショックだった。

「どうした?父ちゃんは居たかい」
「うん。いたよ。用事があるから直ぐ帰れって言って来たよ」
「そうかい。ご苦労さん・・・」
母親は来客と玄関の上がりかまちで話していた。
  1. 2014/09/05(金) 02:51:20|
  2. 二人の女
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