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別冊・詩と小説で描く「愛の世界」

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実母・貞子と妾の静江。其の七

静江7-1
隣りの居間にいる私を静江が呼ぶ声がして、私は便器を取り外しに行った。
ティッシュで濡れた陰唇を拭くと、玉になった白い紙がこびり付いた。
年寄りのせいか尿の匂いはしなかった。
割目をペーパーでちょんちょんと拭くと、静江はくっくっと忍び笑いをしていた。

「こんな事までさせちゃつて、恥ずかしいわ、ご免ね」
私は心中を悟られまいとして、如何にも迷惑そうな顔をして見せ乍言った。
「誰かがしなくちゃなんねえことだ。早く良くなって呉よな」

この家の何処にも母との淫らな思い出が残されていた。
この居間で重なり合ったのも昨日の様に思えた。

静江の小水の介護で汗をかき、風呂場に行くと、風呂は今風に改造されていて、
蛇口を捻ると湯が出る式になり、浴槽もステンレスに変えられていて、
昔浴槽の中で番った時とは全く変わっていた。亡くなった父が静江と住むために
殆どの部分に手を入れて、新しく使い易い様に改造してあった。

湯に浸かりながら私は静江のひしゃげた陰唇と中のピンクの肉襞、ホッカリと暗い膣の
入口などが目について離れず、変態的な欲情にそそのかされて陰茎は何時しか
固く成っていた。湯を出るとタオルを何本も湯に浸し絞って、静江の所に行き、身体を
拭いてやった。毎日が暑く、健康な人もぐったりと疲れる夏だった。

「ああ、気持がいいわ。あっ、そんなに乱暴にしないで、痛いっ、痛いよ」
彼女は私が親切ですることにも、一々注文をつける我侭さは昔と変わっていなかった。

首から腕、腋の下から胸、腹と拭き、下腹部の恥丘、腿の内側へと拭いて行くと
静江を病人の年寄りとは思えなくなっていた。
「ありがとう。きもちがいいわ・・・」
自由になる方の膝を広げで尻の穴まで見せた。薄茶色に変色した割目の周りから、
若い女と変わらない性臭が私の鼻を刺激した。
湯上りでパンツ一枚の股間は怒張して、静江の目にも明らかに見えていた筈だった。

「ばあさんに成っても、ここだけは年を取らねぇな」
指先にタオルを被せて割目の中まで拭いてやった。私は意志とは別の行動をしていた。


**
「恥ずかしいこと言うわね。もうだめよ。お父さんとしてる処を、あなたはじっと見てたわね。
 彼は気が付かなかったらしいけど。あんな恥ずかしいとこ見られたの、あなただけよ」
「へええ。四十年も前の事を良く覚えてたじゃねえか。俺は何時も思い出して興奮
 していたよ。ガキにはチョツト刺激が強すぎたな」

静江は立てていた膝を外側に倒した。
「あの後、何度も誘惑したけど、あなたは少しも動じなかった見たいね」
「ああ、まだ千擦りも知らねえ年だったもんな。大人の事は分からなかったよ」
私の指を静江が押さえて、動かした。

「あらっ、そうでも無かったんじゃない。もう忘れちゃったの。
 貞子さんと盛んに遣ってたんじゃなかった?」
「なにを?」
静江は膝を閉じて私の手を腿の間に挟んだ。

「とぼけちゃつて。あたしは何度も見た事あるんだから」
指先に割目の熱い湿り気を感じていた。
「可哀相だから、お父さんには言わなかったけれどね。お父さんが帰らないので、
 あなたの家を観に行った時、あなたとお母さんが昼間から遣っているのを見たのよ。
 何時かあなたを私のものにするって、心に決めたのよ。若かったわね、あたしも・・・」

誰かが門の鉄の扉を開ける音がしたので、彼女の寝間着の前を合わせて、
風呂場にタオルを持って引っ込んだ。

掛かり付けの医師が往診に来てくれた。
「脚の怪我は大した事は無いですよ。レントゲンの所見でも骨折は無いし、
 少し筋を痛めた程度だから、二日もすれば、動ける様になりますよ」
静江は大げさに痛がって、私を呼び寄せる口実にしたのではないかと思い当たった。

「老人は甘やかすときりが無いから、
 後二日もしたら、トイレも自分でさせた方が良いですよ。
 彼女はそんなに年を取ってはいないからね。身体はまだ六十代ですよ」
医師は軽く言って帰っていった。

私は静江を入院させて、今日中に帰宅する積りでいたので、拍子抜けしてしまった。
妻に電話して入院出来ず困っている経過を話して、後二、三日会社を休むと言った。
「あんたも不幸な人だね。ご近所の手前もあるから、大変だけど頼むね」
妻はさばさばした口調で電話を切った。
  1. 2014/09/05(金) 02:15:22|
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