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別冊・詩と小説で描く「愛の世界」

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女同士の淫楽。其の三

◇淫靡なビデオ◇
女同士の淫楽3-1
あまり広くない寝室を、大きなダブルベッドが占領しています。
カーテンの色、ベッドのデザイン、掛け布団や枕の色柄、電気スタンドの形・・・
どれをとってもあまり上品なものではありません。
“安ラブホテルの一室”を、私は行った事も無いのに想像しました。

そして、そのベッドの上に、全裸の女性がひとり、カメラの方を向いて、
下半身を崩した淫らなポーズで座っていました。

その女性の肌は白く、長い髪は豊かで黒く、一見、日本人、
或いは東洋人の様に見えました。クセのない美人です。
が、よくよくその顔を見ると、“東洋風の顔をした白人”のようにも見えてきました。

国籍不明の、奇妙な雰囲気の女性です。若くて、肌が綺麗で、
プロポーションがかなり良い事だけは、見ただけで判ります。

「これ、どういう映画?いきなり、こんな恰好で・・・」
私は画面に目を向けた侭で、依然としてカラダを押し付けて来ている泉さんに訊きました。
「女の部分を開発するのに、役に立つ映画よ」
「そんな映画、あるの・・・?」
「作ったのよ、私が。元々は、これ、普通のエロ映画なのよ。
 その一部分、このベットシーンだけを切り取ってビデオに入れたの」
「なんでこんなもの、作ったの・・・?」
「あなたに見せる為よ。あなたがまだセックスの面で未熟だってこと、
 私には随分前から判ってたから」
泉さんは息を弾ませてそう言いながら、テレビ画面を指差しました。

映画は展開していました。何時の間にかベッドの横に全裸の若い男が立っていて、
女性が彼を迎えるように、シーツの上で股間を大きく開いたところでした。

露出したその股間には、申し訳程度に小さなモザイクが掛かっています。
が、それは“隠す”という働きを殆どしてはいず、むしろ、その部分の生々しい毛や
肉を強調しているようにさえ、私には見えました。

私は、生唾をグッと呑みました。まるで自分の性器が剥き出しにされたかのように、
下腹部がムズムズと疼いてきました。


女同士の淫楽3-2
「あなた、こうやってご主人を誘ったことある?」
「ない・・・」
「ご主人が何かしてくれるのを、ただ仰向けに寝て待ってるだけ?」
「そうかも・・・」
「自分の感じるぶぶんて、知ってる?」
「・・・知ってるけど・・・」
「たとえば、どこ?」
「乳首とか・・・」
「あとは?」
「・・・クリトリスとか・・・」
「クリトリスと乳首と、どっちが感度がいい?」
「それは・・・」
言いかけて、私は口をつぐみました。

訊かれた瞬間、考えもせず「クリトリス」と応え様としたのですが、次の瞬間、
急にその答えに自信がもてなくなったからです。
乳首と、クリトリスと、どっちが感じやすいかなんて、夫にも誰にも訊かれた事は無く、
自分でも考えたことなどありませんでした。

泉さんに、はっきりした言葉で訊かれて初めて、乳首やクリトリスの感度について、
自分の快感に関わる問題として考え始めました。
「ねぇ、どっち?クリトリス?乳首」
「・・・泉さんは?」
「私は、乳首のほうね。でも、正確に言うと、クリトリスより乳首方が感じやすいって
 訳じゃないわ。クリトリスと乳首は、同じぐらい感じるわ。
 だから、感度のよしあしじゃなくて、順番ね」
「順番・・・?」
「乳首、クリトリス・・・の順で、刺激が欲しいの。
 クリトリスを弄られてから乳首を弄られるんじゃ、
 せっかくクリトリスに湧いてきて興奮が、乳首の方へ移っちゃうわけで、
 つまり、子宮から離れていってしまうわけでしょ?
 それじゃ集中できないわ。だからって、乳首とクリトリスを同時に刺激されるのも、だめ。
 はじめっから、興奮が二箇所に分かれちゃうから。だから乳首、
 クリトリスっていう順番が一番いいのよ、私のからだには」
女同士の淫楽3-3
「私は・・・」
「どう?あなたは」
「・・・私は・・・判らないわ。だって、うちの主人、そんなに愛撫なんかしないら・・・。
 セックスの中心は、ファックだから・・・」
私は、かなり真剣に、夫との毎回のセックスの遣り方や、
その時に得た快感の味を思い出しながら、泉さんに言いました。

それを聞くと、泉さんは、三十八歳には見えない若々しい唇から、
フッと小さく息を吐き、私の耳にその口を寄せてきました。
「ご主人にまかせてたら。あなたは自分で、自分のカラダを開拓しなきゃ。
 でないと、何時まで経っても、快感不足のファックしか出来ないわよ。
 年を取れば自然に感度がよくなるってわけじゃないのよ。
 女って。自分で自分の急所を磨かなきゃ。性器を、鍛えなきゃあ」

泉さんは湿り気の多い声でそう囁きながら、またテレビの画面を指差しました。
ビデオは、女が開いたワレメへ、男が顔を寄せて、肉に舌を伸ばしているシーンでした。
私は、この種のビデオを観た事などなく、だから勿論、男が女のワレメを舐めるシーンなど、
想像さえもした事がありませんでした。
私は、どこか後ろめたいような興奮に小刻みに身を震わせ、息をつめてビデオに見入りました。

「ねぇ、アソコをなめてるでしょ。ああされると、気持ちいいと思わない?」
「・・・」
私が興奮とともに画面に見入り、泉さんの言葉に応えずに、いえ、応えられずに居ると、
泉さんは唐突に、私のスカートを捲くり、パンティーに手を掛けました。
「あ、あ、なにするの・・・!やめて・・・だめ・・・いずみさん・・・!」
私は言いました。

が、不思議に言葉で言うほど、肝心のカラダの方は拒む事が出来ず、
泉さんのなすがままに近い形になってしまいました。
パンティーを、膝の辺りまで引き下ろされました。

拒めば拒めたはずなのに、私は彼女のその行為を受け入れてしまい、
下腹部を露わにして、横座りになりました。露わになった私の下腹部を、
泉さんはじっと見つめました。
  1. 2012/10/19(金) 06:55:53|
  2. 同性愛(レズ)
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